反復学習は大切!でも…♪

 よく、勉強には「反復学習」が大切だと言われます。一度、学習したことがそのまますぐに身につくということは通常では考えにくく、公式などを用い繰り返し類似の問題を解いたりすることで理解の定着が深まる、このような所以からです。

 このことに関しては間違いはないのですが、ただ一つ落とし穴も潜んでいますのでそのことに関してはよく注意をされたほうがいいと思います。それは、理解が乏しいまま「反復」という作業を繰り返してしまうと、理解が定着しないばかりかかえって悪いクセが出来あがってしまうのです。これは、「単にやり方の問題」というふうにもとれますが、少し深い部分から考察すると「思考のゆがみ」というふうにもとれます。したがって、学習効果が感じられなかったり、単純に勉強はやってるけど成績が上がらない、というような生徒さんの場合は、反復学習における悪いクセをこの両方の問題に目を向け対処していくことが必要になってくるというわけなのです。

 そんななか、私の経験上で言うと一般の学習塾においては、「やり方の問題」で悪いクセを直そうとはしますが、その生徒が持つ「思考のゆがみ」という点にはほとんど関わり合いが出来てないように思います。難しい言葉で言いますと、これは「ゲシュタルト」に関係していて、要するにその生徒が作り上げてきている「認識のパターン」や「思考の構造」の部分を修正していってあげないと、いくら「反復学習」に時間を費やしていても勉強ができる生徒との成績は広がる一方だということなのです。
 まるで芋の子を洗うような作業で子供を見られているようなそろばん教室や算数教室も小学生ぐらいまでのあいだなら「画一されたやり方の押し付け」でもいいと思います。それも一理あります。でも、このようなパターンを体に刷り込むといった機械的な作業を繰り返すなかで身についた力がこれからの時代では重宝されなくなってきているのは事実です。反復学習を繰り返すときに同時に働くその人の「思考の構造」につてもメスを入れていくような学習指導が必要になってくるというわけです。
 ここでは、そのメスの入れ方については文字数の関係で書けませんが、ここに関して改善し、より抽象度を上げていくことが出来れば、単に勉強ができるというだけでなくその生徒の生き方にも関係し、人生がより良い方向へ進むことは間違いない、このように思います。
 ALL for ONE が自信をもって生徒を見ているのは、何を隠そうこの部分です。「思考の構造」にメスという言い方は学習塾においては不釣り合いに聞こえるかもしれませんが、要は「一人一人の生徒をコーチングする!」ということです。そのメンター的役割を担っているのが塾長である私であります。生徒たちが「反復学習」をするときにアクションを強制させる前にその前提にある思考の部分に目を向けます。"なぜ?"という思考のベクトルが向く先にベストなやり方を自らで見つけ出し、主体的に学習に取り組めるようにしていってるのです。このような違いの中で学習していけば、受験における合格のみが唯一のゴールだとは言えない、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。