認識力を高めるクセとコツ♪

 私は、子供たちに対して、「この子は物事を認識する力がどれだけあるか?」というのを注意してみるクセがあります。よく、理解力がないから!とか、集中力が足りないから!といったことを勉強ができない理由にしてしまう方がおられますが、私からするとそもそも「認識する力が足りない!」したがって、集中力が続かず、興味も湧かず、結果として勉強についていけなくなってどんどん嫌いになっていくということなのです。
 認識力とは、新しいものに出会ったときに、これまでに自分が蓄えている知識や経験を引っ張り出し統合して、それが〇〇である、と解る力のことです。簡単に言うと、アフリカなどに住む原住民に対して任天堂の新商品スイッチを見せても、「うわ~、これめっちゃ面白そうやしやりたい!」とはならないわけです。何故なら、原住民の人たちは過去に任天堂やそれ以外のゲーム機といったもので遊んだ経験がないため、それを見せられたところで反応しません。これをやると面白いしハマる、ということにはならないのです。これは実際に視界には入っていても認識できていることにはなりません。そらそうやん!って思われるかもしれませんが、実は、勉強においてもこれと同様のことが学習するときの脳の反応として起こっているのです。
 例えば、中学生が英語を学んでいるときに、「助動詞はこうこうで…」ということをやっててもそれ以前に英文は、S・Vが基本でとか、助動詞というのは動詞を助ける働きをするものだから、助けるということは、その前に置いてあげないとあかんとかそういう知識の統合が成されて初めて今日勉強したのは助動詞ってことだしっかりと頭に残るのです。こういうことが概念の理解と言えます。解ったということに繋がるわけです。
 これが認識力の低い生徒になるとどうかというと、助動詞って言葉を聞いても、「ジョドウシ」って
音源が耳の鼓膜に振動を与えているだけでそれに関連する過去に蓄えた知識が呼び覚まされることには
ならないのです。これは認識できていないことになり、いくら助動詞の単語を覚えようと頑張ってもその時限りであとには残らないわけです。
 では、「どうすればこの認識力が高められるのかを教えて欲しい!」ということになるでしょう。今日は、習慣として身に付けることができる「認識力の高め方!」をお伝えしたいと思います。日常の習慣として意識して繰り返し行う必要があります。
 先ずは、自分の好きなものを目にしたときにそれを細かくなんでだろう?とかどうなってるんだう?という思考を働かせるようにします。カレーライスが大好物な人は、カレーの具を口に入れる時に具は牛肉と玉ねぎとじゃがいもと〇〇が計□個入っているということに意識を働かせ、そしてこの中で自分が一番好きなものは〇〇で、値段が一番高いものは〇〇で、とかいうように思考を出来るだけ広げるようにしていきます。それで、じゃがいもは日本産なのかな?とか、日本ならどこの県が一番生産量が多いのだろう?とかいうことを考えます。それで答えが出せるものはなるべく出せるようにしますが、あまり固く考えすぎないことも大切です。要は、このように好きなものを見たときに、出来るだけそれに対してあれこれ考え、疑問を抱き答えを出すような習慣をつけるということです。
 こうしていくことで認識力は確実に上がっていきます。よく、メタ認知という言い方もしますが、高度な認知にもつながり、思考の抽象化にもになります。思考の幅が広がることで、過去の知識の蓄えが共振され新たな発想にも結び付く可能性も高まりますし、ものごとをじっくり我慢強く考えるといった忍耐力を養うことにもなるのです。
 就学前のお子さんをお持ちの親御さんは、上に挙げた「認識力の高め方!」は是非、家でも出来ることなのでお子さんにやっていってほしいと思います。年齢が低ければ低いほど素直な面がありますので効果も高いでしょう。しかし、中学生ぐらいになってくるとこういった習慣づけもなかなか子供本人には伝えづらくなります。自我がそういったことに対し邪魔をし、すぐに反発してしまう年頃だからです。ですから私は、塾選びをされる時に保護者の方にはこういった指針は大切に持っておいてほしいと切に願うのです。子供のどのような部分にほんとうに手を当ててもらえる塾なのか?1年や2年先に受かった、よかっただけの感動を味わうだけでは子供たちの大切な時間を奪っている、そう感じてなりません。
 ALL for ONE では、日頃からこのような脳科学や心理学の知識を交え、子供たちがどうしていけば
力強く育ち、幸せな人生が送れるのかを考えながら教育指導しています。ALL for ONE の学習理念に共感していただける方、是非、一緒に学びませんか。そして共に成長していきましょう!