教え加減が大事です♪

個別指導をウリにされている塾では、評価の一つに「面倒見のよさ」ということがあると思います。「うちの子を手取り足取り指導してくださる有難い塾」みたいな。

でも、私が日頃心がけているのは、それとは少し違い「教え過ぎない!」「面倒を見過ぎない!」ということです。生徒たちの学ぶというスタイルが受身一辺倒になるのはよくなく、こちら(教える)側が丁寧に教えている(つもりの)ことに生徒や親が満足していることが、反対に生徒の脳の成長の足を引っ張っていることもありうるからです。

教える側も慣れてくると腕に磨きがかかります。教えるのが下手なキャリアの浅い先生に指導してもらうよりはキャリアバリバリの指導者のほうが親の満足度も上がるでしょう。でも、私は、少しぐらい雑で抜けていたりする先生からのほうが、生徒自身の「なんとか自分の力でしなきゃ!」という思いが出てきてその方が長い目で見たときには生徒にとっては良いことだと思うのです。極端な例ですが、我々が大学の授業を受けているときには、白衣に身を包み声は小さく板書もろくにしないけれど名物教授で名が通っているような教育者に一目を置いてましたが、そんな光景も学ぶ環境には必要なことなのです。

それは、自発性ということにも大きく関係しています。私は、日頃、生徒たちを見ているのは大部分がこの自発性というところです。学校のテストの点数は一つの結果にすぎず、それで将来その人の人生がどうなるといったことはありませんが、自発性が弱く受け身に回る行動しか起こせないとすると、これからの時代では必要とされなくなります。「ここまで教えてもらったからこの先は自分の力で出来るところまで家でやってみて、それでまたわからないところが出てきたら友達に聞いてみて、それでもだめなら先生の力を借りよう!」大事なのはこんな姿勢ではないでしょうか。こんな生徒は、見ていて頼もしいですし、さらにこんな生徒には、別の引き出しからもっとこんなことも教えてやろう、という気持ちに駆られます。

したがって、塾選びをされるときには、「教え方が上手い!丁寧!」ということの反面、「生徒自分でどういうことをさせる塾なのか?」「子供の数年後や将来を見据えどのように育てらる塾のか?」ということをしっかりと見極められるようになること、これがが親としての役目だと思います。

丸投げではいけません。1から10まですべてやってもらえるなんてもってのほか。

昭和から平成、そして今の令和をという時代を経験してきている親が、先ずはしっかりとした視点でその先、またさらに先を見据えながら子供の成長や将来を考えていかなければならないのです。