「とりあえずやります!」という言葉ほど脆弱性を感じる言葉はない、このように思います。
生徒が、「じゃあ、とりあえずやってみます!」と言ったときには修正をしてやるというフォローが必要でしょう。また、保護者が自分の子供に向かって、「とりあえず期末テストに集中しなさい!」というのも言い方としては良くありません。この”とりあえず”を何か別の言葉に置き換えるように意識してみましょう。
それは、“とりあえず”ということばを付けることにより、そのあとに続く言葉の力をそぎ落とすことになるからです。動詞の部分の力が衰弱してしまうのです。
例えば、「100%力を出し切ります!」というのと、「とりあえず100%力を出し切ります!」とでは後者の方が腰掛半分ぐらいにしか聞こえなくなります。あわよくば出し切れますし、なにか原因があれば出し切れないということを暗に含んだ言い方に聞こえてしまいます。無意識のうちに自分で逃げ道を作ってしまっているのです。どうでしょうか?このように受け止められないでしょうか?
勉強やクラブ活動、何かの他の活動においてもすべてに言えることですが、ある行動に向かうとき、自分自身を言い訳のできない状況に置くということが大事になります。なぜなら、無意識の習慣というのは怖いもので、常に言い訳が出来る状況にあることで力を出し切らなかったことに対しなにも感じなくなるからです。不感症です。これが続くと出来ない自分が当たり前の自分になってしまいます。
したがって、このような習慣を変えるには、先ずは周りの人たちがその本人にちょっとした働きかけをしてあげることです。無意識の癖というのは本人が一番気づきにくいのです。
例えば、「また、とりあえずって言ってしまってるよ!ピィー!」というような警告を発してあげるのです。そこで本人が、「しまった!また言ってしまった!」と意識することでこのような癖はだんだんと消えてなくなります。
このように周りの力も借りながら無意識を意識化させていき、"とりあえず…"という癖を日常の中から排除してしまうこと。そうすることにより、自分のしようとしている行動にベストの力を注ぐことが出来、パフォーマンスも向上し、結果を逃げずに受け止めるようになるのです。
もし、保護者の方で子供に何か言おうとしたときにどうしても出てきそうになるといったときには、なにか別の言葉を発するように癖づけていかれるとよいでしょう。”とりあえず”のところに「〇〇さん!期末テストに集中しなさい!」などと入れてみられるのも良いでしょう。無意識の癖の修正をされていかれることで、きっと想像以上の効果を感じていただけるでしょう。
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